未経験転職は諦めるべき？未経験転職を成功させるにはどうする

現在働いている会社や業界に限界を感じて転職を考えるというケースは少なくありません。
技術発展のスピードや生活スタイルの変化により、社会全体の仕組みやシステムも数年のうちに大きく変わってゆくのを感じている方も多いのではないでしょうか。

そうした大きな変化の中で、現在勤務されている会社や業界の成長が今後はあまり見込めないのでは、という不安が湧いてくることもあるはずです。
また、これまで全く注目されていなかった業界の需要が大きく伸びて給与水準が上昇していたり、将来的に発展が見込めそうな場合に、そういった注目の業界へ転職を考えるということもあるでしょう。

業界が異なっていても、同職種であればこれまでのキャリアを活かすことも出来ますが、業界のみならず職種未経験だと難しい側面があります。
年齢や条件にもよりますが、求人募集に「未経験OK」や「未経験歓迎」と記載されている場合でも、あくまでも未経験であってもご応募くださいという意思表示であり未経験を優先的に採用したいというわけではありません。

もちろんそういった記載のない求人募集よりはハードルが下がりますが、選考基準の難易度が極端に下がるわけではないので注意が必要です。

しかし、転職の難易度は承知のうえで、異なる業種・職種への転職が必要と考える方もいらっしゃるでしょう。今回は未経験転職について、その困難さや必要な心構えと、どのようなアプローチや準備が必要となるのかを考えてゆきます。

１未経験転職の困難

　未経験転職は、転職活動をするうえで有利ではなない、もっと言えば不利であるという認識が一般的です。特に専門・技術職になれば更にそのハードルは高くなります。
ですが、未経験OKや未経験歓迎という記載がある求人募集の場合は、未経験であっても適性があれば採用したい、ひとまず多くの人材を採用したい等の理由で採用枠を広げておきたい場合などがあります。

　専門・技術職に未経験で応募する場合に、ビジネススクール等で予め学んだり、資格取得をしてから転職活動に臨むのはひとつの有効な手段ではあるものの、年齢によってはプラスαの経験値が求められます。実際の現場経験者とスクール卒（資格ホルダー）との比較では、現場経験者で即戦力となれる方が大抵の場合には有利と考えられます。そのため、一次面接の前の書類選考時に振るいにかけられる（面接へ進めない）ことはある程度覚悟しておく必要があります。

　そのため、ある程度の量の求人に応募する覚悟も合わせて必要です。複数の会社から採用見送りの連絡が届いたり、連絡が来ない等の状況が続く場合にメンタル的にしんどいと感じる方もいるかも知れません。ですが、このようなケースでの転職の場合は駄目で元々くらいの心持ちで臨むことをおすすめします。
　そのくらいの覚悟を持って挑戦する必要がありますが、あまりにもしんどいと感じてしまう場合には、転職の見直しや、信頼できる方への相談、あるいは一度立ち止まってみることも考えてみるべきです。
　切羽詰まらないと本気を出せないという方がいるのも事実です。しかし、あまりに追い詰められた状態では自分にとっての正しい判断ができなくなってしまうことも少なくないのです。

・未経験転職は有利とは言えない
・複数の企業で採用見送りになっても気にする必要はない（気にするより次の企業へ応募）
・メンタルが極度にしんどいときには別の方法や転職活動休止も検討する

２未経験転職の心構え

「未経験転職の困難」でもお伝えしたとおり、ある程度の敗戦は覚悟の上で臨む心構えが必要です。
これは通常の転職活動にも通ずることですが、採用可否の結果をあまり重く受け止めないで良いような準備をしておくことが必要です。

・休職中は現職を続ける。
・応募企業に求められる人物像、企業文化等、WEBや公式サイト、口コミサイト、エージェント担当者等を頼り、できるだけ正確な情報収集と対策を講じる。
・なぜその職種・業種に就きたいのかを明確にする
・体調管理に気を配る

　現職を辞めたあとに転職活動を行う方もいらっしゃいますが、精神的に追い詰められている等の深刻な理由がない限り、現職はできるだけ続けたまま転職活動を実施すべきです。収入を継続的に得ると共に、経済的理由から精神的負担を軽減できます。

　企業名を絞って転職活動をする場合、企業名に拘らずに応募する場合、どちらの場合でも対象企業の情報（特に企業文化等）を予め収集しましょう。
転職が成功しても、企業文化が合わないなどミスマッチが起こるのは企業にとっても、何よりご自身にとって大きなデメリットです。企業文化や職場の雰囲気を完全に把握することはできないにしても、様々なチャネルを利用すればある程度のレベルまで収集可能です。
　対象企業や、対象の業種、職種に勤める友人、知人がいる場合には直接話を聞くのも有効な手段です。大企業の場合は部署により文化が大きく異なる場合もありますが、中規模程度の会社まででは全社的に似通ったマインドが共有されているケースは少なくありません。また、業界・業種的に似たような文化を共有しているケースもあるので、業界の特性を知ることも雰囲気を掴む上では有効です。
　転職エージェントを利用している場合には担当者からの情報収集も可能です。多くのチャネルからの情報収集したら、必ずそれらを並べて整理しその中からはっきりわかることをまとめましょう。そうすることで、より理解を深めることができます。種々のソースから情報収集を行うと、間違った情報が混ざることもあります。そのため、情報の整理は必要な作業です。情報収集・整理・理解をセットで実施してゆきましょう。

　転職活動が本格的に始動すると、通常勤務と転職活動が並行して進むため物理的に忙しくなります。転職活動が順調に進み、すぐに結果が出て晴れて転職となれば良いですがなかなか思うように進まず長引いてしまうということも考えられます。
　そんな場合、時間的余裕だけでなく精神的余裕も枯渇してきてしまうこともあり得ます。そうなると、本来の転職活動動機を忘れ、採用通知だけが正義のような視野狭窄に陥ってしまうこともあるので注意が必要です。転職することで得ようと考えていた転職の先にあったはずのゴールが、いつの間にか、妥協点が多くても転職さえできれば良いという転職自体がゴールになってしまうのでは本末転倒です。頭の中がいっぱいになってしまったときこそ、ひと呼吸置いて、当初設定したゴール・目標を再確認しましょう。

　 また、多忙な日々が続くと睡眠や食事等の生活面が不規則になることもあります。ご家族がいれば協力を仰いだり、一人暮らしであれば体調の変化にはより一層注意を向けるべきですし、時間配分を考慮のうえリラックスタイムや休息を上手に取り入れることも必要です。面談ともなれば顔色一つでも印象は異なるものです。体調面もおろそかにしないように気を配りましょう。
　活動がうまく進んでいるときに体調を崩してリスケ等が発生する場合、多少なりとも印象に影響することもあるので睡眠も含めフィジカル・メンタルヘルスに注意を払いましょう。

　無理ができる人は、主観的に心身ともに無理がききそうという思いで進めてしまうこともあるでしょうが、心身ともに健康管理は客観的視点をもって管理することが必要です。都度都度の現状分析・把握や、進め方、面接の受け答えのみならず通常のビジネスでも役立つメタ認知・メタ思考能力を日頃から鍛えておくことも重要です。

３未経験のアピールポイント（年代別）

　未経験転職においては、求められるものが限られてきます。経験がないのは前提として理解されているのですからその部分は問題ありません。
ただ、これまでの職歴から応募職種に何かしら接点を見つけられれば面談のネタにはなるかも知れませんが確実ではありません。

　未経験採用の場合は、明確な採用の指標がない場合もあります。そうなると、書類選考では職歴だけではなく学歴も判断基準のひとつとなりますし、志望動機やPRなども当然評価対象です。そして、少なくとも熱意とその熱量は重要なファクターになりうるので手を抜かずに丁寧に記載してください。記入の仕方ひとつで特性を判断されてしまう場合もあるのです。

まずは、どの年代であっても最低限熱意を示すことは必要です。その上で、大まかに年代別に求められている要素を見てみます。※当然ですが専門的な資格が採用の前提条件となる職種は対象外です。

４転職目的設定の明確化は必須

どのような年代であっても、転職を決意する際にはひとつかそれ以上の理由があるはずです。
職場環境や待遇への不満から、将来への不安、さらには人生設計の中での仕事の位置づけや生活の変化など様々だと思います。

「転職をしたい」場合と「転職が必要（必須）」という場合では動機や意気込みも異なります。どのような場合でも目的やゴールの設定は必要です。
転職目的設定の明確化をすることで、ゴール（転職の成功）までの道のりや必要なこと、依頼ごと、準備するもの等が明らかになります。転職のプロセスや最低限用意するもの、行う必要があることは大枠ではすべての人に共通しますが、何割かはその人のパーソナリティによって異なってきます。

　これまでに転職を経験した方であっても、初めての場合でもまずは「転職の目的設定」を明確にして、行動指針とすることがおすすめです。
意志が強く、行動力もあり問題解決能力が高い方であれば問題ありませんが、転職活動中は想定とは異なる場面に出くわすこともあり転職目的やその他様々なことがブレてしまうことがあります。妥協せざるを得ないような状況も想定しておかねばなりません。
　そのような場面での判断にも、転職目的設定を明確にしておけば、妥協可能な基準も自ずと決まってきます。その場になってみないとわからないことは確かに存在しますが、事前に準備できることは先にして起きましょう。脳内のワーキングメモリは有限です。

　このアウトプット作業は、慣れたら転職に必要な自己分析等、他の作業にでも応用がききます。是非取り入れてみてください。

アウトプットに慣れていない方におすすめの書籍です。

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様々な理由から新しい世界へのチャレンジを始めることとなった場合、わからないことや不安なことも多々あると思います。
未経験転職を計画している場合は特にその傾向があります。しかし、未知の出来事であってもできるだけ仮説を立て、情報を収集し、計画を練ってゴールを目指すことに変わりありません。

・転職の目的を明確化
・各種情報集取・登録
・自分のセールスポイントの把握
・転職のメリット・デメリットの把握

これら必要な作業・行動のうえ時間的、精神的に余裕を持って転職活動を進めてください。