「転職を考えてはいるけど、何となく勇気がでない。。。」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
転職に限らず現状から何かを変える場合には、少なからず勇気が必要になることは想像に難くないですよね。苦痛を伴うのではないか、何かを失うのではないか、大きな労力を必要とするのではないか等々、転職をしようかどうか逡巡してしまう人もいると思います。
人間は基本的に不快を快に変えたい生き物と言われますが、勇気が出ないことよりも「転職したい」という欲求と「不安・不快を抱えたくない」という心の葛藤が不快を生み出しているのもかもしれません。
いずれにしても、勇気を持って転職へと進むために、まずは現状をしっかりと理解し勇気が出ることをめざし解決方法を探ってみましょう。
本当は変化を望んでいない

唐突ですが、現在の自分に転職は必要でしょうか。
転職に必要な情報を収集しているのですから「転職は当然必要だ!」という回答になりますよね。ですが、そうはっきりと答えられるほど、明確な転職理由があるでしょうか。
おそらく、ここで明確な転職理由がある場合には、それがポジティブ要因、ネガティブ要因かに関わらず転職の勇気が出ないということは少ないと思います。立ち向かう勇気が出ない(≒不安を感じる)大きな原因は、大まかに言えば転職や転職活動中に起こる全ての出来事が未知の出来事であるからに他なりません。
通常生活を続けていてもこれからの未来に保証などないはずなのに、変化を伴う未来のリスクよりも変化しない未来のリスクの方が上手に対応できると考えてしまいがちです。保証はないけれど現在の延長線上にある「ある程度予測のつく未来」と、同じく保証のない「変化(により危険も伴う可能性のある)未来」を比べているケースが多いのではないでしょうか。
さらに、このような内容を漠然と考え行動に移せない場合もあるでしょう。頭の中だけで物事を整理していると様々な思考がいろいろな角度から浮かんで来てしまい、考えることも含めて面倒に感じてしまったり、そこで思考停止してしまう可能性が高くなってしまうものです。結果として、現在の自分を足止めしている根本的な原因に気づきにくい傾向があります。
このような場合には現状の把握(現職の状況、生活の状況、転職の動機、転職後の想定等)、検証を実施して動けない理由を排除してゆく必要があります。そのために、転職というキーワードで思いつく限りを書き出してみるというのが有効です。
また、一度どこかのタイミングで内的、外的に転職をする宣言をしてしまっている場合に一貫性を保つために、「転職をしないといけない」と思ってしまっているような場合もあります。社会心理学でいうところの「コミットメントと一貫性」に嵌ってしまっている場合があります。自己矛盾に陥り、思考がまとまらず混沌とした状況になってしまっているような場合です。

現状の思考や環境などを全て机上にならべてよくよく考えてみると、実は変化を望んでいないが、ニュースやメディア、SNS等の情報を見て(未来に対する漠然とした)不安を抱いたから転職が必要だと感じたのかもしれません。この場合、明確な転職の成功のかたち(ゴール)は見えず、「どのような転職をするべきなのか」や「未来にも続けられる自分に合う仕事」を熟考していないので転職の動機もゴールも曖昧になってしまいます。
すぐに行動することが好意的に捉えられることも多い現代ですが、転職は人生のなかでの大きな決断であることに間違いありません。じっくりと検討し納得したうえで活動することで、転職活動をできるだけ迷いや不安なく乗り切ることが大切です。
転職活動前の不安を打破する勇気
さて、「転職活動のスタート」は転職が頭に浮かんだ瞬間からです。実際に行動するしないに関わらず、脳裏に浮かんだ瞬間に転職活動は始まっていますが、ここで足踏みを始めてしまう方も少なくありません。一瞬転職が頭に浮かんだけれどそれほど衝動が湧かないという場合もあるので、その場合は一旦店職活動は終了となるでしょう。
しかし、ここで脳内だけで軽く自分のキャリアの棚卸しをしたあと、何がしたいのか、何ができるのかがわからない場合にそこで立ち止まり、思考を止めてしまう場合もあるのではないでしょうか。
このような場合には、ひとりで頭のなかで考えているだけでは答えが出ない(次のステップへ進めない)場合がほとんどです。また、頭の中だけで複雑な物事を進めているとしばしば堂々巡りになってしまうことが起こりえます。なので、まずは紙に書き出したり、データとして打ち込む等アウトプットしたり、転職エージェントに登録・相談等をして立ち止まってしまう本当の原因を可視化する必要があります。

アウトプットして可視化することで不安を感じる原因が見えてきたり、次に取るべき行動がはっきりする場合もあります。どのようなタイミングでも不安を打破する勇気は、問題の見極めや解決策を見つけることで解消されるはずです。このアウトプットをするタイミングでは端的な状況や感情なども含め、箇条書きで選別せずにブレインストーミングの要領で吐き出すと良いでしょう。
問題の見極めが完了しても、未知の出来事(例えば初めての転職活動)であるため想定できないというような場合は引き続き対処が必要になります。WEBを利用したり参考となる書籍等から情報を収集することも可能ですが、そんな時こそ転職エージェントを利用してみるのもひとつので手です。
自発的に情報を集取する場合、自分の考える枠内での調査・分析に終始してしまうことも多く視野狭窄に陥る可能性が否定できません。第三者の視点が入ることで、転職全体、やりたいことや向いていること等々様々な発見ができることもあるので積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
転職活動中~転職後の不安を打破する勇気
転職前の不安を払拭し勇気を出した一歩先に待つのは「転職活動」です。
自己分析やキャリアの棚卸し、転職したい職種、業種、希望年収の設定、各種ドキュメント作成、試験・面談とやるべきことは増えてゆきます。やるべきことで多忙に過ごしている間は不安がそれほど大きくなることは少ないでしょう。というのも、思案し不安を感じるのは考える時間的な余裕がある場合が多いからです。
転職活動中に感じる不安としては、転職エージェントとのコミュニケーションや転職先候補との面接に対する不安などがあります。企業、給与、待遇など希望条件どおりの転職が成功するかという転職の成否に関する不安などがあげられます。
この場合に不安を打破する勇気とは何になるでしょう?
それは、結果を受け入れるということです。

とてもシンプルなことですが、それ以上でも以下でもありません。一旦結果を受け止める覚悟を持つことでその先へ進むことができます。勇気が出ないと現状を避けるようになってしまいますが、それ自体が悪いことではありません。進めない自分も受け入れられない、かといって転職を(考えることも)やめることはできないとなってしまうのは問題です。正確に言えば問題だと感じてしまい、苦しい状況となるはずです。
これは性格やパーソナリティに依存するので気にならない方は問題ありませんが、気になると感じてしまう方はこのような思考のために行動も思考も停止してしまう可能性があります。また、行動をする場合も気が進まない状態になってしまうのでなかなか結果に結びつかない可能性が高くなってしまいます。

このような場合に今一度考えてほしいのは、無理に転職活動をすすめる必要はないということです。転職活動時にすでに離職して無職だとすれば、焦りから「早く就職しなければならない」という場合だとしても、全力を尽くす以外にできることはありません。しかし、結果までも自分でコントロール可能と考えているので苦しくなっていますが、実際に結果を決めることはできません。あくまでできるのは、どのような結果・結末になろうとそれを受け止めるだけです。そこに至るプロセスで努力できることはもちろん多くありますが、コントロール不可の結果についてあれこれ悩んでも仕方ありません。
それでも悩んで不安を感じてしまうという場合もアウトプットが役立ちます。不安に感じていることをひとつひとつ書き出して自分自身で解決可能なことか、解決不可能な場合にはもたらされる「最高の結果」と「最低の結果」をアウトプットしています。「最高の結果」の場合でも書き出してみると大して大きな損害ではない場合もありますし、「最低の結果」がはっきりすることで逆に目標設定の明確化に役立ちます。
勇気を出すにはアウトプットと分析

ここまでにご紹介してきた通り、不安を感じ勇気が出ない場合にはアウトプットはひとつの有効な手段になりえます。
また思考の堂々巡りに陥ってしまった場合にもアウトプットは有効です。初めてや久々の転職であれば、予想外のことも起こり考えたり勇気を伴う行動も必要になると思いますが効果的にアウトプットを実施し効率よく乗り切ってください。
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